徒然趣味

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小説版 ゆめにっきの感想<ネタバレ注意>

今回は、小説版 ゆめにっきの感想を書いていきたいと思います。
ネタバレが苦手な方はブラウザバックを推奨します。








ゆめにっき (FreeGameNovel)

ゆめにっき (FreeGameNovel)

















~ゆめにっきとは~

ききやま氏が作成したフリーゲームのことです。
無料でパソコンで遊ぶことができます。
窓付きという名前の女の子が眠り、夢の中をただただ探索するだけのゲームです。探索していくとエフェクトと呼ばれるアイテムを手に入れることができます。
ストーリーも会話もなく目的もありません。
ですが、ゆめにっきはフリーゲームの中でも五本指に入る程、有名で人気があります。
YUMENIKKI -DREAM DIARY- というゲームがKADOKAWAから販売されるほどです。
漫画化、ノベライズ化とされていますが、今回はノベライズ化されたゆめにっきについて深く書いていきます。
ゆめにっきを知らない人は是非プレイしてから、この先を読むことをオススメします。
ゲームのネタバレも多く含みます。


























~感想~

最初に書いておきたいのは、小説版はフリーゲームとは全く異なっているということです。

ゆめにっきは数多くの考察があります。
プレイしてみるとこのゲームは、ストーリーがなくただ探索しているだけということは分かっているのに、最後の唐突な終わりに誰もが意味を求めずにはいられないのです。その気持ちはとても理解できます。
私もたくさんの考察を読んで自分で考えてもみていました。この小説版は数多くの中でも2、3番目に考えられていた説をより具体的に書き出した作品だと思います。

1番有力と考えられていたのは、窓付きがいじめられていて引きこもり夢を見るようになった。そして現実で自殺した、というストーリーです。

これはゆめにっきをプレイした誰しもが考えるストーリーだと思います。

なぜなら窓付きは現実の部屋の扉を開けることを嫌がり、鳥人間という鳥頭の人間(いじめっ子?)を恐れていて、集めていたエフェクトをすべて夢の中の扉の前で捨てると、現実世界のベランダに階段が出現し、飛び降りることが出来るからです。

窓付きが飛び降りる(プレイヤーが背中を押す)と暗転し、落下音と窓付きであろう赤い血が映し出されます。そしてエンドロールが流れることでゆめにっきというゲームが終わります。この衝撃的な終わりに私は心を掴まれました。元々この世界観と奇妙なキャラクターが好きでずっとプレイしていましたが、このエンディングしかないという点により心奪われたのです。

話を戻します。
大きなネタバレになりますが、この小説版の狂言回しであり、主要キャラクターは窓付きではありません。
黄色のポニーテイルの目線を合わせない女の子、通称ポニ子と呼ばれているキャラクターです。
彼女はゆめにっきの中でも人気が高く、窓付き以外だと1番人間っぽい女の子であるという特徴を持っています。
他にもモノ子、モノ江と呼ばれる女の子もいますが彼女たちは色がモノクロで、カラフルなのがポニ子になっています。
そしてめちゃくちゃ有名な特殊イベントがあるのが人気のひとつになっています。(かなりショッキングなのでオススメはしません)

この小説版は、ポニ子が窓付きのあとを歩き、解説していくといったような語り口で続いていきます。ポニ子が話したことがゲーム中1度もありませんでしたが、彼女は窓付きをあなたと呼び、態度は過保護に思えるほど優しいです。

ポニ子は窓付きにとって親しい友人、という考察はよくされていました。ポニ子が居る部屋は窓付きが居る部屋に少し似ているためです。
またあの特殊イベントによって明かされる、ポニ子の2面性を考えされるような表現に「窓付きはポニ子の2面性にトラウマを持っていて、引きこもってしまった」と考えることもできます。

そのように思っていた私の考えをこの小説は粉砕していきました。窓付きはもちろん、ポニ子をここまで掘り下げたものはこの小説以外ないのではないかと感じました。

ここからはポニ子による夢の中と精神病棟でのカウンセリングによって話が終わりに向かっていきます。
この小説では数多くの心理学の用語が書かれています。これは心理学についてポニ子が知識があるというか覚えざるを得なかったという表現なのかもしれません。

ポニ子はカウンセリングをする中で、自分の中にいた何かを思い出して絶叫します。
あなたと呼んでいた彼女が自分の娘だったものだということに気づくからです。
あの子の髪が三つ編みなのはへその緒だから。
あの子の口が開かないのはそこまで成長できなかったから。
あの子の目が閉じていたのは開く前に死んでしまったから。
ここまで気づいた時、戦慄しました。
たしかに窓付きにぴったりだからです。
窓付きがエフェクトを捨てて飛び降りてしまったのは、流産してしまったからということです。

ポニ子が窓付きの母親であるという考察もありました。それはポニ子に会うための辿るルートにあるピンク色や紫色の海とテントが母親のお腹の中のようであると考えることが出来るからです。
確かにそう考えることができます。
ゆめにっきは、製作者であるききやま氏がMOTHERにとても刺激を受け、MOTHERのようなゲームを作りたいと思い作られたゲームです。
MOTHERをプレイしたことがある人は分かると思いますが、ポニ子に会うための道筋の世界はMOTHER1のマジカントそのものです。(マジカントについてはMOTHER1のネタバレを含みますので、気になる人は調べてみてください)

小説版ゆめにっきでは、エフェクトを窓付きが使いますが、そのエフェクトを無意識に考えていたのはポニ子だということがのちのち分かります。

私は通称マフラー子と呼ばれるキャラクターのセリフが好きです。ポニ子が考える窓付きの気持ちなのか窓付き本人の気持ちなのかはわかりませんが、素敵だと思いました。

「ねぇ、お礼が言いたかったの──ありがとう、って。だってこんな可愛い帽子とマフラーを贈ってくれようとしてくれたんだから。私とっても嬉しいの。たぶん、嬉しかったはずなの。だから、ありがとう」


ポニ子は窓付きと一緒に歩きたくて、帽子とマフラーを作ってたのだと思うと少しいいなと思います。

この小説の最後は、ポニ子がマタニティブルーで窓付きを育てる自信のなさや不安から、このような夢を見るようになり、鬱になってしまったのではないかという結論にたどり着き、夢では窓付きと別れることを決意するといった終わりです。

母と子はへその緒で結びつくことで同じ夢を見続けたということなのだと感じました。

この小説はききやま氏公認ではありますが、公式ではないので、この内容を鵜呑みにするのではなく、こういった考えも面白いなというように楽しめたらいいと思います。
これで小説版 ゆめにっきの感想を終わりにします。
気になった人はぜひ読んでみてください。