徒然趣味

小説、マンガ、アニメ、映画の感想を書いていきます。

知る人ぞ知る名作 カイバの感想 <ネタバレ注意>

今回は、カイバというアニメの感想を書いていきたいと思います。ネタバレを書いていきますので苦手な方はブラウザバック推奨です。



カイバとは~

カイバとは、WOWOWで放送されていたアニメです。監督は湯銭政明という独特な作風で有名な方です。代表作は、夜は短し歩けよ乙女、アニメ ピンポン、devilman crybaby です。
知っている人は知っている作品が多くあります。
そんな監督が2008年に公開したアニメがこのカイバというアニメです。

カイバ Vol.1 [DVD]

カイバ Vol.1 [DVD]


キャラクターやアニメの雰囲気は、藤子・F・不二雄先生や手塚治虫先生といった懐かしさを感じるデフォルメになっていて、着ぐるみやぬいぐるみのようなヒトが多く存在しています。

カイバというタイトルの通り脳の記憶を司る機能、カイバをテーマに描かれているアニメです。
記憶を無くした人は本当にその人なのか。
そこに深く踏み入った作品のように感じました。
続いて感想を書いていきたいと思います。












~感想~

カイバは友達に勧められて見た作品でした。
最初一気に見た時は「すごい作品を見た」と放心するだけでしたが、何回か見直すうちに思い入れが増す作品になりました。

主人公が記憶を無くした少年ということはよくあることですが、その特徴こそこの世界観にあっていると思います。
カイバは、キャラクターデザインとは裏腹に人間社会そのものを描いている作品でもあります。

記憶チップという記憶を固形化したものとボディと呼ばれる肉体。
その2つが成り立つことで人として生きることができ、言い換えればそのふたつがあれば生きていけるのです。
王が記憶を管理し、記憶を覗いたり、ボディを乗り換えて別人になれたり、ボディを売ってお金を稼いだりする世界です。

アビバという星で、
「捨てられたボディを食べ物に混ぜて無料で配っている」
という話を聞いた時、いつも無表情気味だった主人公が思わず吐き気を抑えるように口を塞いだシーンがありました。
私はそれを見てこのボディという体は人間の体を指すのだということに気づきました。
人間で考えるとなんとも気分が悪くなりました。

私がこのアニメで好きな話はクロニコという女の子の話です。

クロニコという可愛らしい女の子がいました。
貧しかったクロニコは弟たちと義理の母親のためにボディを売ることになります。
ボディを売り、記憶チップを家に送って貰う約束でしたがそれは嘘でした。ボディを渡しやすいようにクロニコは記憶を改修されていたのです。
クロニコが自分のお気に入りの長靴を貰ったことよりも前の記憶がなかったのはこのせいだと思います。
クロニコの記憶は捨てられました。
クロニコは記憶無くしたボディになりました。

一方その頃、義理の母親と弟たちはクロニコがいなくなったことを喜び、食べたいものを沢山食べていました。
義理の母親は売り払っていた記憶を買い戻し、今までの記憶を少しずつ思い出していきます。
最初は自分の姉の記憶、そしてクロニコのことを思い出します。
姉との約束、クロニコのために体を犠牲にして長靴を買ってあげたこと、クロニコは喜びその長靴をずっと履き続けたこと。
息子達とクロニコのために音楽や本を売りに出し、しまいには記憶まで売りに出していたこと。
姉とクロニコと自分の3人で楽しくピアノを弾いていた過去を全て思い出したのです。
義手の手で彼女は3人で弾いていたピアノを弾き、彼女はクロニコを売ったこと、彼女はもうどこにもいないことに嘆き悲しむのです。

これは救いのない話かもしれませんが、私はこの話が大好きです。
記憶というものに強く縛られなくなり、入れ替わりも普通に行えるカイバの世界ではとても大切なことだと思ったからです。
記憶とボディを分離できることになってもどちらもなくてはならないものなのだと実感しました。



このほかにもカイバは面白い話が沢山あるので気になった人はぜひみて下さい。
夜ひっそりと見たいアニメだと思います。