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第18回電撃小説大賞作品のエスケヱプ・スピヰドの感想 <後編> ネタバレ注意!

今回は、前々回、前回と同じくエスケヱプ・スピヰドについての感想を書いていきたいと思います。
前回の記事はこちらです→https://misomiso.hatenablog.jp/entry/2018/06/20/174711

長らくお待たせして申し訳ありません。
ようやく感想です……。
前回同様ネタバレを多く書いているのでまだ全部読んだことがなかったり、ネタバレが苦手な場合はブラウザバックを推奨します。



エスケヱプ・スピヰドの感想〜

一巻
記念すべき第1巻です!
平成ではなく昭和が続いた世界、戦争、ロボ、コールドスリープ、など濃密な世界観をたった1巻で説明出来ている完成された序章です。
叶葉と九曜の信頼関係の築き上げ方がとても丁寧で上手だと感じました。
まだ戦わなければならない九曜の葛藤や、叶葉に暗い影を落とす過去がよいアクセントになっていると思います。
そこから死ぬ場所を探すためではなく、叶葉の元に帰るため、師匠に近い男の竜胆と戦うシーンはとても熱い気持ちにさせました。
兵器や機械としてこの世界に向き合っていくことを決めた九曜と八洲という土地を見てみたいと夢を抱くようになった叶葉の二人旅で終わるラストが完璧でした…。
この1冊だけでも十分完成されていますので読んでみたことがない人は是非読みましょう!!


弍巻
第3皇女の鴇子と機械兵の菊丸の登場です!
皇族が登場人物のキャラクターとして出てくる作品を今まで読んだことがなかったので、鴇子が名乗ったときは度肝を抜かれました。
菊丸もナイスガイならぬナイスロボットです。
一巻で書かれていた九曜以外の鬼虫の存在もほのめかされていましたが、満を持して登場しました。二番式の巴、三番式の剣菱です!
この2人、とっても好きです。
エスケヱプ・スピヰドの大人はみんなかっこいいと感じます。
鴇子のクローンという設定は何となく予想はついていましたが描写が丁寧でやっぱり辛いなぁと感じました。鴇子ちゃんは笑って生きてほしいです。

参巻
息抜き巻です。
いや全く息抜き出来ていませんが、このあとの展開を考えると慎重に話を進めている印象を受ける巻でした。
菘ちゃんがやって来てくれて、より賑やかになりました。鴇子ちゃんと菘ちゃんのコンビが可愛くて好きです。
1~2巻の登場人物の掘り下げ回です。
黒塚部隊が少し出てきましたね…。彼らもなかなかキャラが濃いです。

四巻
個人的に好きな巻ベスト3には入る巻です!
四番式 井筒の登場です。
彼もかなり好きです。口が悪いのに一本筋通ったところに好感を抱きました。
死んだと思ったのに生きていて兄貴と慕っていた男は後輩に殺され、違う敵と戦わなければならないといった状況が初期の九曜を思い出させました。
他にも黒塚部隊が本格的に登場です。
久留守ちゃんめちゃめちゃ可愛いです。万字さんがちょっと羨ましいです。
虎杖さん、日足くんと久留守ちゃんといい少年少女を兵器に改造しすぎなのでは…?と考えてしまいました。久留守ちゃんは確実に兵器として使えると思ったから勧誘したんでしょうけど……。さすが敵っていう感じですね!
九曜と叶葉のイチャイチャが天元突破して最高です。本当にありがとうございます!

伍巻
最終章への序章です!
最初は竜胆、そして虎杖の回想です。
……この2人が兄弟だと気づけた方どれくらいいたんでしょうね。私はイラストを見比べて、えっ?!全然違う…わけでもないのか?と自問自答してしまいました。短く衝撃的な回想でしたが、竜胆と虎杖の回想だと思うと不思議と違和感がありませんでした。
続いて、竜胆と巴と剣菱の回想です。この回想がとっても好きでこの3人組が大好きになりました。
竜胆と剣菱の相互理解と巴がその2人を振り回す感じが好きです。
そこから4から9までの鬼虫を竜胆の目線で語りますが、どいつもこいつも個性的です。案外というかだいぶ竜胆さんは鬼虫を人間を愛していることをひしひしと感じました。
そしていつも通りの九曜たちのシーンに移り、巴が黒塚部隊の烏帽子に腹をぶち抜かれます。
1番衝撃的でした。あの飄々とした巴さんがこんなことになるなんて予想出来ていませんでした。
日足くんが脱走し、朧に排除され、叶葉と鴇子が攫われます。本当に踏んだり蹴ったりです。最終章に近づいているんだなぁ…と思いました。
意地でも叶葉を助けに行く九曜と甲種命令を使ってでも無理をして欲しくない叶葉との対比が切なかったです。

六巻
回想巻です!
しんしんと静まった落地で六番式 柊と九曜が過ごしている間、激動の時間が流れていきます。
黒塚部隊が操る神鯨に軟禁されている叶葉と鴇子は第1皇女 蓮宮 鵠子に会い、説得しますが二人のことをお人形か何かだと思っている鵠子は全く相手にしません。怖いですね。
叶葉は朧が一巻の時から大切な存在として書かれていた伍長であることに気づいていて、説得します。当然聞く耳を持ちません。
伍長が朧であるということに気づいた読者は多いと思います。ですが、彼も機械になったのだとすると鬼虫や甲虫はことごとく身内の人間で作られていて何ともはや運命を感じるなぁと思いました。
鬼虫に操られる六番式 庵と黒塚部隊に操られる七番式 楓の話もしんみりする話でした。
柊という少女の最期も切ないものでした。
九曜にとって一緒にいてくれるヒロインが叶葉なのだとして、一緒に戦うヒロインは柊だったのかなと感じました。
最後の万字、庵、楓、そして柊が集まってコーヒーを飲んで話しているところを読んで涙腺が緩んだことを覚えています。

七巻
最終巻です!
多くは語りません。全て最終巻に書かれています。読者が読みたかった全てが書かれています。
是非読んでください。蛇足ですが、井筒と久留守ちゃんが仲良くていいなと思いました!

異譚集
学園編と後日談が大好きです。
この2本の短編だけでもこの本の価値はあると思います。
学園編はあまり出番がなかったキャラクター達にもちゃんと出番があって読んでいて、とても楽しくなれました。虎杖さんが何となくより好きになりました。本編並みに素敵な短編です。

後日談は思っていたより穏やかな時間が叶葉と九曜たちに流れていてよかったと安心できました。
竜胆さんはっちゃけすぎ!とは思いました。
でも本当の彼がそうならばそうであるべきだと感じました。ありのままでいいと思います。
みんなが思い描く、最高の後日談でした。



長々となりましたが、これにてエスケヱプ・スピヰドの感想は終わりになります。
完全な自己満足な感想になってしまいましたが、自分なりに書けたので良かったです。
素敵な作品なので読んだことがない人は読んでみてください!(3度目)