徒然趣味

小説、マンガ、アニメ、映画の感想を書いていきます。

小説版 輪るピングドラムを読んでみた。後編(ネタバレ注意!)

前回は、輪るピングドラムという作品そのものの説明と大まかなあらすじを書きましたが、今回はアニメ版と小説版の違いと輪るピングドラムの感想について書いていきたいと思います!

前回の記事はこちらです。
https://misomiso.hatenablog.jp/entry/2018/05/14/174444




~アニメ版と小説版の違いについて~
私はアニメを全て見終わった後小説版を読みました。そこから見えた違いについて書いていきたいと思います。

まず、1番違うと感じた点は冠葉と陽毬の心情の描写でした。
この作品は、高倉家の3人の兄弟が主要人物となって物語が展開していきます。その中でも地の文が多いというか所謂主人公目線となっているのが次男の晶馬です。
それは彼の「僕は運命という言葉が嫌いだ」というセリフから物語が始まっていくので、彼が主体となっていると考えるのは当然だと思います。ですが私はこの晶馬というキャラクターは銀河鉄道の夜のジョバンニであるからこの作品の主人公であるのだとなんとなく思っていました。
輪るピングドラムをもう既に見た方、読んだ方はなんとなくわかっていると思いますが、この作品は「銀河鉄道の夜」をモチーフとして作られています。
数多くの電車の中、改札の描写。乗り換え、サソリの心臓といった銀河鉄道の夜を連想させるような言葉が多く出てきます。そして晶馬や冠葉という名前。それらは、銀河鉄道の夜の主人公ジョバンニと親友カンパネルラからきているのだと感じました。
あと、眞悧(さねとし)と呼ばれるキャラクターも後に出てくるのですが、そのキャラクターはジョバンニを虐めていた同級生のザネリなのではないかと言っている人もいて面白いなと思いました。
それらは私の憶測でしかないのですが、ぜひアニメや小説を見たり読んだりして頂いて確かめてみてください!

だいぶ脱線してしまったので話を戻すと、小説版では晶馬の兄 冠葉と2人の妹 陽毬の描写がアニメ版より多くなっています。
小説版もアニメ版も晶馬視点で語られているので、いつもどこか女の元に行ってしまう冠葉やペンギンの被り物のおかげで生き返ったもののまだ安静にしていなくてはいけない陽毬は出番が少なくなっていき、ピングドラムを持っていると言われている荻野目苹果とのかかわり合いの方が多くなっていきます。
それは贔屓とかではなく純粋に物語としてそのような展開になっていくことは仕方ないことであり、後半で明らかになる事実への伏線のためなのでアニメ版も大変良いと思っています。
そして小説版では、その晶馬と苹果が話を動かしていた裏で冠葉と陽毬は何をしていたのかが書いてあります。上・中・下と大変分厚い小説版だからこそできることですね。
1番印象に残っている場面は、冠葉と陽毬で苺の苗を植えるシーンです。アニメではないシーンでとても印象的でした。
冠葉と陽毬の絡みは前半では結構少ないので、嬉しかったです。

また、キャラクターの感情の変化がアニメ版より分かりやすいです。
アニメ版ではキャラクターの表情、セリフでしか感情の起伏がわかりづらかったのですが、小説は地の文が多く分かりやすくなっています。ノベライズ化のいい点だと思います。
晶馬の苹果に対する気持ちの変化、苹果の晶馬に対する気持ちの変化も、丁寧に書かれているので、この2人が好きな人にもオススメします!
1番印象が変わったのは陽毬でしょうか。私は陽毬がこの作品で1番好きキャラクターなのですが、アニメだと可愛くて病弱で優しい女の子という印象でした。ですが、小説では優しく明るいがすぐに淡々とし冷めた反応をする、自分なりの考えを持っていて人に迷惑をかけないよう気遣える1人の女性となっています。私は小説版を読んだことでより陽毬が好きになりました。13、4の女の子なのにしっかりしていて女性的で可愛いです。
冠葉の陽毬に対する心情の独白もアニメよりも多い気がします。この2人が好きな人にもオススメですね!
以上がアニメ版と小説版の違いについてのないようになります。



~感想~
輪るピングドラムは様々なものをモチーフにして作られています。
銀河鉄道の夜、アダムとイブが食べた赤い果実、大人から愛が受け取れなかった空っぽの子供が粉々にされてしまう子どもブロイラー。そしてあの忌まわしい地下鉄での事件。
そのような要素を紡いで、子供や大人が読者が愛を知ることが出来る作品です。
アニメを見て好きになった人にはもちろん、小説から読んでみたい人にもおすすめできる作品です。
興味を持った人はぜひ読んでみてくださいね。
たびたび脱線してしてしまい、申し訳ありませんでした!

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